- 礼服でスリーピーススーツを着用するのはあり?なし?結婚式に出席するんだけど……。
- お通夜、お葬式、告別式にスリーピーススーツを着用してもいいの?
- 礼服にはどんな色のスリーピーススーツがいいの?
結婚式や葬式などフォーマルな場にどのような服装で行けばいいのか、色はどんなものがいいの?と悩んだ経験を持つ方は多いでしょう。
漠然とした情報を頭に入れて知っていたつもりでも、いざ実際にその事態に直面するとよくわからず焦るものです。
そこで今回は礼服と縁の深いスリーピーススーツを、フォーマルな場面で着用するときの注意点や、選び方などについて詳しく説明をしていきます。
この記事を読めば、結婚式や急な弔事などにも慌てることなくマナーにのっとった服装で参列することができます。
葬式や告別式などの弔事ではスリーピーススーツの着用はおすすめできません。
しかしお祝いの場ではフォーマル感や華やかさが演出できますので、特にベストの色や柄などにこだわってみるのもおすすめです。
シーン別のスリーピーススーツの選び方を説明する前に、まずはフォーマルウェア全体について触れていきましょう。
スリーピーススーツについては別の記事で詳しく紹介していますので、ぜひあわせてご覧ください。
フォーマルな席での礼服・スリーピーススーツの選び方
礼服といっても礼服・喪服のボタンマナーでも解説した通り、参加する催しの格式により着用できる服や小物のルールが決まっています。
また昼と夜といった時間帯(17時~18時が境目)によっても変わり、以下のように考え方を置き換えることができます。
- 昼=結婚式、葬式・告別式、入学式などの儀式的な催し
- 夜=披露宴、パーティなどの宴会などの社交的な催し
さらにこれをメンズの「正礼装」「準礼装」「略礼装」に振り分けると以下のようになります。
【昼/儀式的な催し】
正礼装……モーニングコート
準礼装……ディレクターズスーツ、ブラックスーツ
略礼装……ダークスーツ、ブレザー&スラックス
【夜/社交的な催し】
正礼装……タキシード、燕尾服
準礼装……ファンシースーツ、ファンシータキシード
略礼装……ダークスーツ、ジャケット&スラックス
さまざまな服装の名前を挙げましたが、いずれもスリーピーススーツのようにベストを着用することがほとんどです。
特に最近は礼服が簡略化されることが多く、ブラックスーツ、ダークスーツ、ファンシースーツ(光沢のある素材で作られた華やかなスーツ)を着用することがほとんどでしょう。
そのためフォーマルシーンではスリーピーススーツが欠かせないといっても過言ではありません。
それではシーン別にどのような礼服のスリーピーススーツを着用するのがベストなのかを詳しくみていきましょう。
結婚式・披露宴でのスリーピーススーツのコーディネート
結婚式や披露宴に招かれたときの礼服(スリーピーススーツ)は、最近ではほとんどの場合がブラックスーツ、ファンシータキシード、ダークスーツを着用しています。
より厳格にフォーマルウェアのルールを適用する場合は、日中に終了する結婚式・披露宴はブラックスーツ、18時以降まで終わる時間がずれ込む場合や、宴席の場合にはファンシータキシードを着用します。
ダークスーツは昼夜を問わず着用することができます。
近年は特に親しい間柄の方のみを招待し、ドレスコードが厳しくない場合が多いため、礼服用としてブラックスーツやダークスーツを購入しておけば他のシーンでも着回しがきくのでおすすめです。
ダークスーツはチャコールグレイやダークネイビーなど、礼服用のブラック生地ではないもので仕立てられた上質なスーツです。
スリーピーススーツが推奨されており、ベストやタイはシルバーグレイを着用するとよりフォーマル感がでます。
ダークスーツの場合は略礼装なためかルールが緩く、ほとんど制約はありません。
日中の儀式的な催しの場合はジャケット、ズボンの生地にチャコールグレイかミッドナイトブルーを選ぶといいでしょう。
その場合のベストはシルバーグレイやパステルカラーのものがおすすめです。
カフリンクスやタイにも遊び感覚や流行を取り入れて、個性的なフォーマル感を装うことができます。
普段からチャコールグレイやミッドナイトブルーのスリーピーススーツを着用している場合は、ベストや小物、タイなどを変えるだけでいいかもしれません。
喪服でスリーピーススーツを着用する場合は慎重に判断を
通夜、葬式、告別式などに礼服で参列する場合、スリーピーススーツを着用するのは基本的に避けた方がよいでしょう。
これらのシーンではファッションよりも個人を悼む、偲ぶといった点が重視されるため、ファッションを意識しているようなベストの着用はふさわしくないと判断されることが多いためです。
ただシングルスーツの場合はシングルのベストであれば許される場合もあるようです。
着用をする際にはあまり目立たないようにすることをおすすめします。
また喪服で気を付けたほうがいい点をいくつか紹介します。
基本的にはブラックスーツやダークスーツを着用しますが、生地が通常の黒色とは異なるためビジネス用のスーツと混同しないように注意が必要です。
喪服用の生地は光沢がなく、より濃い黒色のものが使用されています。
またネクタイは葬式のときは無地または織り柄のブラックを、法事のときはダークグレーを着用します。
迷いやすいポイントですので覚えておくと便利です。
スリーピーススーツはさまざまなお祝いで活躍
礼服を着用するのに代表的な結婚式、葬式でのスリーピーススーツのマナーについて説明をしてきましたが、他にも人生の節目となるイベントは数多くあります。
通常のスーツよりもフォーマル感があり、礼服ほどではありませんが、きっちりとしたイメージになるスリーピーススーツは、そういったイベント時にはとても重宝する一着です。
いくつかスリーピーススーツを着用するのにふさわしいイベントをピックアップしてご紹介いたしましょう。
初めてのスリーピーススーツは大学の入学式で
大学の入学式で初めてスーツを着用する方は多いことでしょう。
特に最近は若い方にスリーピーススーツが人気ということもあり、自分で似合う色やコーディネートを試すいい機会になります。
またその後の就活や面接をはじめとした、かしこまったシーンでもスリーピーススーツは活躍しますので、最初に買うスーツとして最適ではないでしょうか。
つい自分好みのスーツを買いたくなってしまうと思いますが、もしかしたら自分に似合っていなかったり、サイズが合わずスーツに着られてしまう可能性が高くなります。
ここはプロであるお店の方に大学の入学式に着るということを伝えて、自分に似合うスーツや、それに合うシャツ、ネクタイ、小物、ベルトなどの一式を揃えるのがおすすめです。
今後のためにも、ここでスーツの買い方や選び方を覚えておくと後々便利です。
また、在学中は着用することになる方が多いと思いますので、スーツクリーニングやお手入れ方法にも注意して長く着用できるようにしましょう。
成人式でのスリーピーススーツはビジネスシーンを意識して
成人式は一生に一度の節目のお祝いです。
成人年齢が18歳に引き下げられましたが、現在ではこれまで通り20歳になった人を対象として成人式を行う自治体が多いようです。
同級生も多く集まるハレの日ですので、せっかくならかっこいい服装ででかけたいですよね。
大学の入学式などですでにスーツを持っている方も多いとは思いますが、ここで1着追加で購入したり、新調するのもおすすめです。
これまではカジュアル寄りのスーツを購入したり、若いということもあり明るめのカラーのものが多い傾向にあると思います。
年齢的に社会に進出している方や、就活が始まっている節目になりますので、ビジネスシーンを意識したスリーピーススーツを購入するのがおすすめです。
スーツのカラーはベーシックなチャコールグレイやネイビー、ブラックなど、着まわしやすさを重視して、ネクタイやウィンザーカラーなどシャツなどでアクセントをつけるといいでしょう。
特にスリーピーススーツはサイズのフィット感が重要ですので、採寸やサイズ直しは必須です。
お宮参りは略礼装かスリーピーススーツでもOK
お宮参りとは、おおよそ生後1か月前後に神社に参拝する儀式です。
お参りする時期は地域によっても違うので、あらかじめ確認しておきましょう。
神様に子供が無事に生まれた感謝と、今後の健やかな成長を願う儀式的な催しですので、フォーマルな服装での参拝が礼儀となります。
礼服であれば略礼装であるダークスーツになりますが、最近ではビジネススーツでも構わないことが多く、濃紺やチャコールグレイなどの暗めのスリーピーススーツがぴったりと言えます。
参拝のあとには記念写真を撮影される方も多いと思いますので、ネクタイやベストで華やかに装ってはいかがでしょうか。
礼服とスリーピーススーツは親和性の高い組み合わせ
今回は礼服で着用するスリーピーススーツについて、フォーマルウェアの解説を含めて詳しく説明いたしました。
葬式などの弔事ではあまり使うシーンが少ないものの、結婚式や披露宴、入学式、成人式などの慶事ではフォーマルさと華やかさをあわせもったスリーピーススーツは活躍の機会が多い服装と言えるでしょう。
- 礼服を着用するフォーマルシーンではスリーピーススーツのようにベストを着用する機会が多い
- 葬式などの弔事では、ベストを着用しない方が無難
- 結婚式や入学式、成人式などに限らず、フォーマルなシーンではスリーピーススーツが活躍する
礼服はルールが厳格に定められていますが、近年ではフォーマルシーンで着用することの多くなった準礼装や略礼装は、自分好みにベストや小物でコーディネートすることができます。
その場の目的を忘れないようにしながら、自分のファッションを楽しんでみてはいかがでしょうか。