- レディースオーダースーツの基本的な作成の流れを知りたい
- メンズのオーダースーツとの相違点を教えてほしい
- 来店や採寸前に準備しておくべきポイントが知りたい
- レディースオーダースーツで満足いく1着を作るためのコツや注意点とは?
女性が活躍する職場が増え、キャリアや年齢に適したレディース用オーダースーツの需要は年々高まってきています。
しかし手軽に購入できる既製品のスーツとは違い、オーダースーツは来店・カウンセリング・生地やデザイン選び・採寸やお直しなど納品までにさまざまな手順が必要になります。
この記事では、銀座の老舗テーラーとしてご愛顧頂いているGINZA SAKAEYAが、具体的なオーダースーツの作成フローから、オーダースーツを作るときに役立つアドバイスや注意点を詳しく解説します。
オーダースーツには興味があるけど、流れや価格などが判らず不安を感じている方に役立つ記事内容となっていますので、ぜひ最後まで読んで参考に役立ててみてください。
レディース用オーダースーツの基本や特徴を知っておこう
レディース用オーダースーツ作成の流れを解説する前に、まずはオーダー方法ごとの特徴やメンズスーツとの違いなど、基本的なことからチェックしていきましょう。
レディース用オーダースーツの仕立て方は3種類
レディース用オーダースーツを仕立てる方法には以下の3種類があります。
- パターンオーダー
- イージーオーダー
- フルオーダー
どのオーダーシステムでスーツを仕立てるかによって、【価格】【フィット感】【オリジナリティ】【納期】などが変わってきます。
パターンオーダーの特徴やメリット・デメリット

スーツに限らず衣服を作るときは型紙(パターン)と呼ばれる「服の設計図」が必要になります。
パターンオーダーシステムは、サイズや体型で分類された既存のパターンからお客様に最も近いものを選び、それをベースにサイズ調整を行いスーツを仕上げる手法です。
【価格】★★★★☆(安い)
パターンオーダーは、工程が少なく既製品とほとんど変わらない既存の型紙を使うケースも多いため、お仕立て料金がかなり低価格になるという特徴があります。
【フィット感】★★☆☆☆
若干の補正やサイズ調整は行いますが、使用する型紙や採寸箇所の少なさから、フィット感は既製品と比べてそこまで大きな違いが感じられないケースも少なくありません。
【オリジナリティ】★★☆☆☆
パターンオーダーの場合、デザイン・オプションなどの選択肢が乏しく、オリジナリティ溢れるオーダースーツを作るには不向きだと言えるでしょう。
【納期】★★★★☆(早い)
オーダースーツは既製品とは違い、購入してから手元にスーツが届くまで時間がかかる点が大きなデメリットですが、パターンオーダーなら1ヶ月前後で納品となります。
パターンオーダーは、価格が安く納期も早いため初心者でも気軽に注文しやすい点は大きなメリットであると言えます。
しかし、既製品とさほど変わらない金額で仕立てられるということは、スーツの仕上がりやデザインも既製品とそこまで差が付きにくく、人によっては満足感が得られない恐れもあります。
イージーオーダーの特徴やメリット・デメリット

イージーオーダーは、ゲージ服をベースに着心地やフィット感で重要となる主要箇所(関節部分や胸周り・肩周りなど)を採寸し、顧客の体型に合わせてスーツを仕立てる方法となります。
【価格】★★★☆☆
イージーオーダーで手掛けるレディーススーツの価格帯は、生地やデザインにこだわらなければ5万円台~とリーズナブルなものから、品質や素材にこだわった20万円以上のスーツまでさまざまです。
【フィット感】★★★★☆
価格と同じように、イージーオーダーと言っても使う生地や採寸するテーラーの技量によってフィット感にもかなり違いが生じることがあります。
しかし、前述のパターンオーダーに比べるとイージーオーダーの方が格段にフィット感は高くなるのは確かです。
【オリジナリティ】★★★★☆
お店によって選べる生地やデザインの種類にも大きな差が生じますが、イージーオーダーなら自分の好みや要望を伝えればオリジナリティ溢れるスーツを仕立てることが可能となります。
【納期】★★★☆☆
イージーオーダーシステムでレディーススーツを仕立てた場合、およそ1ヶ月前後でのお渡しとなるケースがほとんどです。
オーダースーツならではの着心地と自分らしい個性を反映させるなら、価格・仕上がりのバランスが取れたイージーオーダーシステムがおすすめです。
イージーオーダーシステムを採用しているテーラーは多いですが、店舗によって採寸や縫製の技術に差があったり、取り扱っているスーツ生地の種類も異なるため「店舗選び」がとても重要になります。
当店GINZA SAKAEYAは、世界最高峰のスーツ生地ブランド「ゼニア」の公認取扱店となっておりますので、高品質なスーツ生地を豊富に取り揃えています。
また、当店にはお客様に寄り添った接客を第一に心がけるスタッフが数多く在籍していますので、老舗ならではの確かな技術と知識で初めてのお客様でも安心してオーダースーツを仕立てることが可能となっております。

このあと実際に来店してから納品までの流れについても詳しく解説しますので、イージーオーダーでレディーススーツのお仕立てを検討している方はぜひGINZA SAKAEYAにお任せください。
フルオーダーシステムの特徴やメリット・デメリット

お客様の体型を細かく採寸をして個別の型紙を作成してスーツを仕立てていくフルオーダーシステムは、まさに自分だけのために仕立てられた最高のオーダースーツに出会うことが可能です。
イージーオーダーよりも精密に採寸を行い、仮縫い→再採寸→微調整という工程があることによって最高のフィット感を実現してくれるのがフルオーダーシステムです。
【価格】★☆☆☆☆(高額)
工数が多く、手間と時間がかかるフルオーダーシステムのお仕立て料は高額になります。
生地のブランドや種類によって変動しますが、安くても10万円台~となっています。
【フィット感】★★★★★
フィット感を追求するならフルオーダーシステムを採用しているテーラーを選ぶのが最適となります。
【オリジナリティ】★★★★★
生地はもちろん、デザインからボタンや見えない部分や細部まで、とことんこだわることができます。
【納期】★☆☆☆☆
時間と手間がかかるため、フルオーダーシステムは注文から納品までの期間は2ヶ月~3ヶ月とかなり遅めになります。
オーダースーツが持つ魅力を最大限に活かすならフルオーダーシステムが最良ですが、どちらかと言えばハイエンドユーザー(上級者)向けかもしれません。
レディースオーダースーツの流れを解説
オーダースーツを注文するのが初めての人は、どんな手順や流れで進むのかが分からないことに大きな不安を感じるものです。
特に仮縫いという中間チェックが無いパターンオーダーやイージーオーダーでは、最初の打ち合わせや採寸がとても重要になってきます。
ここでは、当店GINZA SAKAEYAでレディーススーツをお仕立てする場合を例に、注文から納品までの流れを以下の5ステップに分けて解説します。
- 受付・来店
- カウンセリング(ヒアリング)
- 生地・デザイン・釦裏などのセレクト
- 採寸
- 納品
ちなみに、GINZA SAKAEYAでは仮縫い付フルオーダーシステムの取扱い(メンズスーツのみのご対応となります)もあるので、フルオーダーの流れを知っておきたい!という方は詳しく解説している過去記事にもぜひ目を通してみてください。
STEP①受付~来店
レディース用オーダースーツを仕立てるとき、最初にやるべきことは「お店選び」になります。

参考までに、当店でオーダースーツを仕立てることを決めて頂いたお客様にお聞きしたお店選びの理由や決め手となったポイントをいくつか紹介します。
- 会社の上司が利用している店舗だったから
- 創業50年以上の老舗なので安心して任せられそうだと思ったから
- 父親と親子二代でスーツはGINZA SAKAEYAと決めているから
- 従業員が礼儀正しくこちらの疑問や質問にもしっかり応えてくれるから
- 公式サイトと口コミを見て予算や希望に合ったスーツが作れそうだと思ったから
上記以外にも沢山のご意見や嬉しいお言葉を頂戴しておりますが、お店を選ぶポイントとして特に多かったのが「予算や好みに合っているかどうか」と、「従業員の知識や接客態度」に関するものでした。
オーダースーツは選ぶ生地やオーダー方法によって、かかる費用は大きく異なります。
例えばGINZA SAKAEYAであれば、レディース用のオーダースーツなら10万円前後でのお仕立てとなっています。
また、初めてオーダースーツを仕立てるお客様にとって従業員の態度や知識量もお店選びにおける大きなポイントになっているようです。
初めてオーダースーツを仕立てようとしたとき、専門用語でまくしたてられたり気になったことを聞いても曖昧な答えが返ってくるような従業員では不安になってしまいます。
まずは電話で問い合わせをして、予約をした上でお店へと足を運ぶようにしましょう。

テーラーに来店すると、大抵の場合はゆったりとした空間で他のお客様の目を気にせずに相談できるようになっています。
初めてオーダースーツを作るお客様の中には緊張している人も多くいますが、経験豊富なスタッフが丁寧に案内するので安心できるはずです。
STEP②カウンセリング(ヒアリング)
受付を終えたら、次はカウンセリングに進みます。

着用目的やどんなスーツを仕立てたいかなど、以下のような内容をお客様にヒアリングしながら、経験豊かなスタッフがお客様のご要望に沿ったオーダー方法をご提案します。
- スーツを着る場面(ビジネス/式典/普段使い/特別な日用など)
- 希望するスーツのイメージ(フェミニン/シャープ/柔らかい印象など)
- 好きな色や生地の質感の有無
- スーツタイプ(スカートorパンツ)
- スーツのデザインやシルエット
仮縫いが無いパターンオーダーやイージーオーダーの場合、このカウンセリングでしっかりと方向性や希望するスーツのイメージを伝えることが仕上がりの満足度に直結します。
STEP③生地・デザイン・釦裏などのセレクト

カウンセリングでヒアリングしたお客様のイメージを基に、具体的なスーツの生地やデザイン、ボタンや裏地などを細かく選んでいきます。
当店GINZA SAKAEYAは世界最高峰のスーツ生地ブランド「ゼニア」の公認取扱店ということもあり、豊富なラインナップからお選び頂けるようになっております。

メインとなるスーツ生地の他にも、以下のようなディティールも決めていきます。
- シングルorダブル
- ジャケットのラペル(衿)の形状や幅
- 裏地やボタンのカラーや柄
- ベント(後ろのスリット)やポケットの位置など
この段階でオーダースーツの印象や仕上がりイメージがほぼ決まります。
初めてオーダースーツを頼む場合、どんなアイテムを選べばよいのか悩みますが、その場合は担当スタッフにイメージを伝えればアドバイスや提案をしてもらえますので、迷ったら気兼ねなく相談するようにしましょう。
STEP④採寸
どんなスーツを仕立てるのかを決めたら、最後に採寸を行います。

GINZA SAKAEYAでは女性らしい美しいボディラインをしっかり立体的に演出できるように、バスト・ウェスト・ヒップ・肩幅や袖丈などを確かな技術を有したスタッフがしっかりと採寸いたします。
STEP⑤納品(来店から約4週間後)
来店から採寸までが終わると縫製に入り、およそ4週間後には完成したオーダースーツの納品となります。

お客様の都合が良いタイミングで来店して頂き、実際に試着をして全体的なフィット感を確認し、微調整が必要な個所があれば軽い補正をかけてからのお渡しとなります。
仕上がったスーツの着こなしや、保管・メンテナンスなどについてもご説明いたしますので、気になる点があれば遠慮せずにスタッフへ確認しておきましょう。
レディース用のオーダースーツ作りで失敗しないためのポイント
レディース用のオーダースーツを作成する流れは前述の通りですが、実際にお店へ足を運ぶときに失敗しないためのポイントがいくつかあるので紹介しておきましょう。
来店時の服装や髪形に注意する
お店に足を運ぶときは、なるべく体型が分かりやすい服装や実際にスーツを着用するときの髪型で来店することが大切です。
厚手の服やオーバーサイズの服を着てしまうと、採寸の精度が下がる恐れがあるため、できるだけ薄手で身体にフィットするインナーやブラウスを着用していくことをおすすめします。
髪型については、ロングの方なら採寸時に髪をまとめる準備をしておいて頂けると、スムーズに測ることができます。
また、実際にスーツを着用するときの髪型で来店した方が、カウンセリングやデザイン選びのときに仕立てるスーツのイメージが固まりやすくなります。
なるべく具体的なイメージを伝える
オーダースーツを仕立てるときは、自分の作りたいオーダースーツのイメージをなるべく具体的に伝えることは非常に重要です。
例えばスマートフォンで事前に作りたいスーツに近い写真やコーデ画像を準備しておけば、テーラー側もイメージを掴みやすくなります。
具体的なイメージが難しい場合は、「きちんと感が欲しい」や「ビジネスシーンで浮きたくないけど個性も出したい」のように、漠然としたイメージだけでも伝えるようにしましょう。
疑問や不安は来店したタイミングで解消しておく
初めてオーダースーツを作るときは、分からないことだらけですから不安や疑問が多く出てしまうのは当然です。
「初歩的なことを聞いたら迷惑かな」とは思わずに、気になる疑問や質問はその場でスタッフにどんどん聞いて、納得した上でオーダーを進めていきましょう。
スケジュールには余裕を持たせよう
既製品とは異なり、オーダースーツは注文から納品まで3週間~3ヶ月ほどかかります。
特にフルオーダーシステムやイージーオーダーシステムの場合、納品後に微調整が必要になるケースもあるため、受け取りから実際に着用する日まではスケジュールに余裕を持たせておくと安心できます。
オーダースーツを仕立てる流れの中でよくある疑問や質問まとめ
最後に、レディース用のオーダースーツをお仕立てする流れの中で、お客様から寄せられることが多い疑問や質問をまとめて紹介します。
- スタッフさんはどんなお客さんだと困りますか?
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初めてオーダースーツを仕立てるお客様の中には、知らず知らずの内に迷惑をかけていないかと不安になってしまう方もいらっしゃいます。
あれこれと質問しすぎると迷惑なのでは?と考えてしまう方が多いのですが、実はスタッフが一番困るのは「なんでも良い」や「お任せします」と言われてしまうことだったりします。
基本的にオーダースーツを取り扱う高級テーラーの多くは、お客様が満足する最高のスーツをお仕立てしたい!という想いが強いため、具体的な意見や要望を伝えてくれた方が助かると感じるのです。
- 来店するときに何か準備は必要ですか?
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来店するときは何か必要ですか?という質問も多く寄せられます。
基本的には前項でお伝えしている通り
- 採寸しやすいインナーや服装
- 髪が長い方ならまとめるためのヘアゴムなどの準備
- 作りたいスーツの参考画像や写真など
これらを準備して頂けるとスムーズに進めることができます。
せっかくオーダースーツを仕立てる訳ですから、来店前に作りたいスーツのイメージをできる限り膨らませて頂けるとスタッフはとても助かります。
どうしてもイメージがが沸かないという場合でも、最低限パンツスーツかスカートか、どんな色が良いのかなど、大まかな構想は固めておいてください。
流れを知り事前準備をすればスムーズにレディースオーダースーツのお仕立てが可能!
今回はGINZA SAKAEYAでレディースオーダースーツを作成した場合の流れを例に解説しましたが、基本的に別のテーラーでも同じような流れになるので安心してください。
- 同じオーダースーツでもオーダーシステムで価格や品質に大きな差がある
- イージーオーダーの場合、お店選びがとても重要
- 品質やフィット感にとことんこだわるならフルオーダーがおすすめ
- レディースオーダースーツならGINZA SAKAEYAにお任せください!
初めてオーダースーツを仕立てるときは、緊張と不安でいっぱいになると思いますが、事前に全体の流れを把握しておくだけでもかなり安心できるはずです。
作りたいスーツのイメージをしっかり伝えれば、初めてでも満足度の高いレディーススーツを仕立てることが可能となりますので、ぜひこれを機にオーダースーツを検討してみてはいかがでしょうか。




