- ダブルスーツはボタンの数や配置で種類分けがあるって本当?
- ボタンで変わるダブルスーツのマナーを知りたい!
- ダブルスーツのボタンマナーはレディースだと変わるの?
クラシカルなデザインのスーツがトレンドとして注目され、結婚式などフォーマルな場での着用イメージが強いダブルスーツをビジネスシーンで着用する人も増えてきました。
とはいえ、まだまだダブルスーツはシングルスーツに比べて着用する機会が少ないこともあり、細かい種類やマナーを知らない人も多いようです。
そこで今回は、ボタンの配置や数で変わるダブルスーツの種類とマナーについて詳しく解説します。
トレンドのダブルスーツを着こなすためにも、ぜひこの機会に正しいボタンマナーをチェックしておきましょう。
ダブルスーツそのものについてもっと知りたい!という方は、基本の選び方からシーン別の着こなしやマナーまで詳しく解説している記事もあるので合わせて目を通して頂くとより理解が深まるのでおすすめです。
ダブルスーツの種類はボタンの数や配置で決まる
一般的なシングルスーツとダブルスーツの違いは、前合わせ部分のボタンが1列か2列かで見分けることができます。
そして、スーツの前合わせ部分にボタンが何個付いているか、その配置がどうなっているかでダブルスーツは分類分けされていて、種類によって見た目の印象やフォーマル度が変わるだけでなくマナーも若干異なるので注意が必要です。
4つボタンダブルスーツの特徴
前合わせ部分に合計4つのボタンが付いたダブルスーツは「4つボタンのスーツ」と呼ばれています。
ダブルスーツならではの重厚な印象を持ちながら、重すぎず着こなし方次第ではスポーティーで軽快なイメージも与えてくれるバランスの良さが大きな特徴です。
さらに4つボタンのダブルスーツは、ボタンの配置や留め方で2種類に分類されますのでそれぞれ詳しくみていきましょう。
4つボタン1つ掛けのダブルスーツとは
ダブルスーツに4つのボタンが付いていて、下のボタンのみを留めるタイプは「4つボタン1つ掛け」と呼ばれています。
上のボタンは装飾という意味合いが強いこともあり、実際に留める実用的な下側のボタンとは異なる幅で配置されているのが特徴です。
下ボタンのみを留めて着用することで、胸元のVゾーンが広がりダブルスーツの中では最も軽快且つシャープな印象を演出しやすい形状だと言えるでしょう。
4つボタン1つ掛けダブルスーツの特徴
- 下のボタンだけを留めてVゾーンが広いため動きやすくスポーティーな印象
- シルエットや着丈はシングルゾーンに近い
- ビジネスシーンやカジュアルな着こなしなど幅広いシーンに対応
- ダブルスーツ初心者でも着やすい
4つボタン1つ掛けは初めてダブルスーツに挑戦する人や、ビジネスシーン・プライベートシーンでの着用を考えている人におすすめです。
4つボタン2つ掛けのダブルスーツとは
同じ4つボタンでも、ボタンの配置がほぼ均等に配置されているタイプが「4つボタン2つ掛け」と呼ばれるダブルスーツとなります。
4つボタン1つ掛けとは異なり、上下のボタンを両方とも留めて着用するためVゾーンが狭く、フォーマル度が高く落ち着いた印象になるのが特徴です。
4つボタン2つ掛けダブルスーツの特徴
- ボタンを全て留めるため、カッチリとした着用感やタイトな印象になる
- タイトなシルエットを演出するため着丈は短めになることが多い
- フォーマル度が高く落ち着いた印象
ダブルスーツならではの重厚でフォーマルな印象を演出したいときは、4つボタンでも2つ掛けを選ぶのがおすすめです。
6つボタンダブルスーツの特徴
前合わせ部分のボタンが2列×3段の計6つ並んでいれば「6つボタンのダブルスーツ」となります。
ダブルスーツの特徴でもある”重厚さ”や”フォーマル感”が強調されている形状です。
6つボタンダブルスーツもボタン配置の違いによる種類があるのでみていきましょう。
6つボタン2つ掛け(Y字型)のダブルスーツとは
6つボタンのダブルスーツで最もポピュラーなデザインだと言えるのが、ボタンがY字型に配置されている「6つボタン2つ掛け」タイプです。
種類分けをする都合上、6つボタン2つ掛けと呼称していますが、着用時に留めるボタンの数は必ずしも2つでなければならない訳ではありません。
詳しくは後述するボタンマナーで解説しますが、ボタンの留め方を変えることで見た目の印象を変化させることが出来るため、幅広いシーンで着用できるのが大きな特徴だと言えるでしょう。
一番上に配置されていて、2段目・3段目に比べて広い幅で付いているボタンは飾りなので留める必要はありません。
6つボタン1つ掛け(V字型)のダブルスーツとは
ボタン配置が下の列にいくほど狭くなるV字状になっているダブルスーツもあります。
スーツのVゾーンが広くなるデザインなので、力強い印象や遊び心のある印象を与えてくれるのが大きな特徴です。
基本的には一番下のボタンを留めて、デザインが持つ特徴を最大限に活かす着こなしがおすすめですが、2段目と3段目の2つのボタンを留めて着用することも可能です。
6つボタン3つ掛け(直線型)のダブルスーツとは
ボタンが直線的に2列×3段で配置されたダブルスーツが6つボタン3つ掛けタイプです。
60年代のビートルズを想起させるようなデザインが印象的で、個性的でスタイリッシュな見た目が大きな特徴です。
クラシカルではあるものの一般的なデザインではないため、ビジネスシーンや格式が高い式典などでの着用は避けた方が良いかもしれません。
結婚式やパーティーなど、ファッショナブルにダブルスーツを着こなしたいときに最適なので、服装で場を盛り上げたい人や目を惹きたい人には特におすすめです。
ダブルスーツのボタンマナーについて
ダブルスーツには色々なデザインがあるとお伝えしましたが、ボタンの数や配置が違えば開け閉めに関するマナーも当然変わってきます。
続いてはダブルスーツ共通のボタンマナーから、デザインごとに異なるケースまで詳しく解説するのでチェックしておきましょう。
シングルスーツのボタンマナーについてなど、スーツのボタン全般を詳しく解説している記事も参考に役立ちますので、合わせてチェックしてみてくださいね。
ダブルスーツはシングルスーツとボタンマナーが異なる!
普段着慣れているシングルスーツの場合、以下のようなボタンに関するマナーがあって多くの人がそれを認知しているのではないでしょうか。
シングルスーツのボタンマナー
- アンボタンマナー(一番下のボタンは基本的に留めない)
- 座るときはボタンを外す
ところが、ダブルスーツの場合は基本的なボタンマナーが異なるので注意しましょう。
ダブルスーツのボタンマナー
- 基本的に一番”上”のボタンは留めない(スプレッドアウトの場合)
- 座るときもボタンは外さない
上記はあくまでもダブルスーツの基本的なボタンマナーであり、ボタンの数や配置によって若干の違いがあります。
オールインラインのダブルスーツにおけるボタンマナー
前項で紹介した「4つボタン2つ掛け」や「6つボタン3つ掛け」のように、前ボタンが同じ横幅で一直線に並んで配置されるタイプをオールインラインと呼びます。
ダブルスーツは基本的に一番上のボタンは留めませんが、オールインラインは例外的に全てのボタンを留めて着用しても問題ありません。
座るときは留めたボタンはそのままで大丈夫です。
ダブルスーツを着用しているときにボタンを留めておく理由は、前合わせが深いデザインなのでボタンを開けて座るとダラしない印象になるからと言われています。
スプレッドアウトのダブルスーツにおけるボタンマナー
4つボタン1つ掛けや6つボタン1つ掛けなど、Y字型やV字型にボタンが配置されているデザインをスプレッドアウトと総称します。
スプレッドアウトの場合は一番上のボタンが装飾なので、基本的に留めないのがマナーとなっています。
シングルスーツの飾りボタンは一番下、ダブルスーツの飾りボタンは一番上に付いているという特徴の違いを知っておくと混同しにくいかもしれません。
正しいボタンマナーが”正解”とは限らないので要注意!
ダブルスーツはスプレッドアウトなら一番上のボタンは留めず、座るときはボタンを留めたまま着席するのが正しいマナーですが、状況によっては「あえてマナー違反」をした方が正解になるケースもあります。
例えばシングルスーツで着席するときはボタンを外すというアンボタンマナーも、面接のときはボタンは留めたままの方が良いと言われています。
その理由は面接官がアンボタンマナーを知らなかった場合、正しいボタンマナーを実践しているにも関わらず、逆にだらしなくマナーが悪いと思われる恐れがあるからです。
ダブルスーツの場合も同じ理由で、同席している先輩や上司がボタンマナーを知らなかったり勘違いしているケースがありえます。
ダブルスーツを着た先輩や上司が着席するときにボタンを外したり、一番下のボタンを常に外して着用していた場合は、マナー違反を指摘したり自分の正しさを主張するよりは、あえて同調した方が良いのかもしれません。
ボタンにこだわるならオーダーメイドがおすすめ!
ダブルスーツはボタンをしっかり留めて着用することが多いため、シングルスーツよりもサイズ感や身体のラインがしっかり出るシルエット選びが重要になります。
ボタンの位置や色合い、どんな素材を使うかによっても見た目の印象がガラリと変わるため、既製品よりも自分の好みやイメージを反映できるオーダーメイドでのお仕立てがおすすめです。
世界三大スーツ生地ブランドとして有名な、ゼニア生地の正規認定取扱店として創業50年以上の実績を誇る当社GINZA SAKAEYAなら、お客様の体型や好みに合った最高のダブルスーツのお仕立てが可能となっております。
ボタン1つにまでこだわった、自分史上最高品質のダブルスーツをお求めの方は、ぜひGINZA SAKAEYAでのお仕立てをご検討ください。
オーダースーツについて基本から詳しく知りたい!という方は、初めてスーツを仕立てる方でも失敗しないために役立つ情報満載の過去記事に目を通してみるのもおすすめです。
レディースの場合は?など気になるダブルスーツのボタンに関する質問あれこれ
最後にダブルスーツのボタン関連で寄せられることが多い疑問や質問を、解説と共にまとめて紹介します。
- ダブルスーツのボタンマナーはレディースでも同じですか?
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結論から言うと、ダブルスーツのボタンマナーはレディースの場合、メンズとは異なるので注意が必要です。
具体的なレディースのダブルスーツにおけるボタンマナーは以下の通りです。
- 基本的にレディースのダブルスーツに付いているボタンは「全て留める」のがマナー
- デザインがスプレッドアウトで明らかに一番上のボタンが装飾なら留めなくてOK
- 座るときもボタンは全て留めたまま
レディースのダブルスーツについては、基本的なマナーから着こなしにおける注意点まで詳しく解説している記事もあるので気になる方はぜひチェックしてみてください。
- ダブルスーツのボタンデザインはどれを選ぶのがおすすめですか?
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記事内で紹介しているようにダブルスーツにはさまざまな種類やデザインがあるため、何を選べば良いのか悩んでしまう人が多いようです。
結論から言うと、ダブルスーツの場合は想定している着用シーンによって最適なデザインが異なります。
着こなしイメージや好みなどがあるので一概には言えませんが、大まかに想定する着用シーン別に相性が良いダブルスーツのデザインを紹介するので参考に役立ててみてください。
- ビジネスシーンで着用したい! → 4つボタン2つ掛けや6つボタン2つ掛け
- 結婚式やパーティーで着用したい! → 4つボタン1つ掛けや6つボタン1つ掛け
- 個性的でファッショナブルに着こなしたい! → 6つボタン3つ掛け
上記はあくまでもボタンのデザインだけの話なので、他にもスーツ生地の質感や色柄・着丈やシルエットなども着用シーンに合わせて選ぶのがおすすめです。
ボタンで印象が変わるダブルスーツを上手に活用して着こなしを楽しもう!
ダブルスーツは重厚でクラシカルなイメージが強いですが、ボタンのデザインによってその表情が大きく変わります。
シングルスーツのようにタイトでスタイリッシュな印象で仕立てることも、威厳があって力強い印象を演出したりすることが可能なので、自分のイメージに合わせて適切なデザインを選んで着こなしを楽しんでみましょう。
- ダブルスーツは、ボタンの数は配置で印象が大きく変わる
- ダブルスーツのボタンマナーはシングルスーツの場合と異なるので要注意
- オーダーメイドで仕立てることで自分のイメージや好みをしっかり反映できる!
ダブルスーツは敷居が高いと感じる人は多いかもしれませんが、ベーシックな4つボタン1つ掛けや6つボタン2つ掛けなら、シングルスーツに近いスタイリッシュなデザインで仕立てることも可能です。
クラシカルなスーツが再注目されている今こそ、ダブルスーツにチャレンジする良い機会かもしれません。
着用シーンやイメージを明確にした上で、自分に合ったダブルスーツを仕立てて着こなしを楽しんでみてください!