【トレンドと情報】ナポリ独自の縫製技法③

こんにちは。
榮屋本舗の代表・伊藤です。
本日も引き続き、
サルトリア・ピロッツィで見られる
ナポリ仕立て特有の縫製技法に関して
少しだけマニアックに解説していきましょう。
・ジャケットの肩線の位置
ジャケットを着る上で、
肩線を意識することはあまりないかもしれませんが、
これはその位置に関する技法です。
 
日本人は身体の前に肩が出ていることが多いため、
ジャケットの肩線もそれに合わせ、
前に位置させたデザインにするのが常套手段。
2012.04.03-1.jpg.jpg 
そのほうが着やすい上着がつくれると考える、
英国由来の日本式洋服論からきています。
 
しかし、
イタリア人には前肩の人があまり多くないため
ナポリ仕立てのジャケットの肩線は、
正面からは確認できないよう
後ろめにデザインされるのが普通です。
 
肩線を横から見るとわかりますが、
まるで背中方向へ逃げる感じに、
肩線自体を湾曲させているのが大きな特徴。
 
ほんとナポリの美意識の感覚が違うことを
実感できる技法といえるでしょう。
 
 
・本開き釦ホール処理(オーダーならではの作り方です。)
「本開き」というのは、
あまりなじみがない言葉かもしれませんが、
ジャケットの袖口の形状のことですね。
 
袖口の釦と釦ホールを見てください。
日本でつくられる既製品の多くは、
釦と釦ホールはあくまで飾りとして付けられていて
実際に袖口の開閉はできません。
これが「本開き」仕様になると、
本当にジャケットの袖口に釦ホールがあけられ、
実際に袖口の開閉を行うことができます。
 
この「本開き」を用いる際、
サルトリア・ピロッツィでは、
本開きのいちばん上にある釦ホールだけを
あけない処理としているのです。
 
古くは、親が子供にジャケットを譲る際の
調整用として生み出された処理のようで、
「本開き」の位置を変更する手間を
少しでも軽減することが目的なんだとか。
 
ナポリならではという手法ではないのですが、
多くのナポリのサルトリアで、
現在もこの手法が踏襲されています。
2012.04.03-2.jpg.jpg
というわけで、
少し専門的すぎる内容かもしれませんが、
まだ特徴的なものがありますので……次回に続きます。
チャオ(*^-゚)/~Ciao!
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